B1 HF アンテナ
4.
1.9/3.5/7 MHz 同調給電 水平ワイヤ・アンテナ

写真はローバンド用の水平ワイヤ・アンテナの給電部を示す。 ローバンドで、DX 向きの地上高のあるアンテナを設置するのは簡単ではないため、国内向けと割り切ったものを作った。
7 MHz ダイポールにハシゴ・フィーダで給電し、マルチ・バンド動作を得ている。 給電点は軒端からは 3 m 上でしかないので、ローバンドでは地上すれすれのアンテナということになる。
フィーダは直径 1 mm のステンレス撚り線をアクリル樹脂の板で 30 mm 間隔にしたもの。
平行 2 線式フィーダの特性インピーダンスは、線間距離の 2 倍を線直径で割った数値の対数値に 276 をかけたもの。 で、この場合 276 x log (2x30/1)。 まあ 500 オーム近辺と思う。
ソータ・バランを介して、マニュアル・チューナで同調をとるので、フィーダ長は大まかでいいはずだが、この場合は、アンテナに接続した状態で 7 MHz の CW バンドで同調する長さとしてある。 これでフィーダ全長は 18 m ほど。
ねらい通り、7 MHz, 3.5 MHz, 1.9 MHz ともすんなりと同調がとれている。
地上高の低い水平アンテナは、付随する固有の高い打ち上げ角のため DX 向きではないが、ローバンドで数百 km 範囲との交信用と割り切れば、逆にその特性が有効に使える。 いわゆる NVIS というやつだ。
使ってみると 3.5 MHz と 7 MHz は、国内局向けには、これまでの 18 MHz 垂直ダイポール + AH-4 の組み合わせより、たしかによほどいい。
アマチュアが作れるローバンド用水平アンテナは、波長から見れば、地上高の低いアンテナとなってしまうのが普通だ。 このため、 NVIS とか特に云わなくても、結果的に国内局との安定した通信が得られている場合がほとんどと思われる。
うれしいことに 1.9 MHz に出られるようになった。 永年ハムをやってきたが、1.9 メガは、アンテナがなく出られなかった。 ラダー・ラインに感謝。
同調給電は古い枯れた技術だが、おすすめだ。